
風営法が変わったらしいけど、何がどうなったのかわからない・・・
2025年、大きな話題を呼んだ 「風営法改正」。
「法律が変わったのは知っているけれど、具体的にどこがどう変わったのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな風営法の改正に関して現役の風俗スタッフが詳しく解説していきます。
改正にともなって、スカウトマンや店舗の摘発が相次いでいます。
不用意にトラブルへ巻き込まれないためにも、改正のポイントを一緒に確認していきましょう。

2025年風営法改正の内容とは?

2025年6月に施行された風営法の改正では、キャバクラやホストクラブ、性風俗店など、広範囲にわたる業態で接客・営業ルールが見直されました。
特に、これまで「グレーゾーン」とされてきた接客手法や契約形態が、明確に違法行為として定義・規制されました。
店舗側だけでなく、キャストやスカウト、仲介業者まで、業界全体に対する摘発リスクが大幅に高まっています。
今回の風営法の改正では、特に以下の3つの点に大きな変化がありました。
大きな変化
・接待飲食業に関する遵守事項・禁止行為の追加
・性風俗店のスカウトバック全面禁止化
・風営法認定の厳格化
接待飲食業に関する遵守事項・禁止行為の追加
今回の改正では、キャバクラやホストクラブで、新たに以下の内容が禁止・規制対象になりました。
新しく追加された禁止行為
・説明された料金と実際の請求額が異なる場合
・色恋営業(恋愛感情を利用した営業)で恋心をくすぐって飲食注文を取る接客
・威圧的な態度で「かけ(売掛)」など高額な支払いを迫る行為
金額について虚偽の説明をしたり、色恋営業によって高額な注文を要求したりすることが禁止されました。
これらに違反すると、営業停止や営業許可の取り消しといった処分の対象となります。
一方、売掛金の支払いのために売春やAV出演を強要すると、6ヵ月以下の懲役刑・100万円以下の罰金が課せられるようになりました。
性風俗店のスカウトバック全面禁止化
今回の改正で、これまで風俗店とスカウト間で慣習的に行われていた、「スカウトバック」が全面的に禁止になりました。
「スカウトバック」とは、スカウトが性風俗店から報酬を受け取り、求職者を紹介することです。
今回の改正によってスカウトバックに関与した場合、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
これまで風俗業界では半数以上の店舗がスカウトからの紹介を受けていました。
今回のスカウトバック厳罰化によって、夜の業界の求人窓口が大きく変わることになるでしょう。
風営法認定の厳格化
営業許可、従業員登録に関する審査が組織横断的に厳格化されました。

組織横断的? どういうこと?

形式上の申請者が適格であったとしても、資金提供者や実質的な経営者が不適格者に該当する場合、許可がおりなくなりました。
また、親会社やグループ会社など関連法人が許可取り消しを受けた場合、系列全体が最長5年間営業停止となる処分が設けられました。
今まで処分から逃れられる抜け穴になっていた「許可証の返納」「名義切り替え」も明確に禁止され、違法な営業への取り締まりは一段と厳しくなっています。
また、取り締まりを厳しくするだけではなく、罰則も大幅に強化されました。

強化された罰則は、無許可営業に対してです。
違法な営業をするにあたり、『禁止区域での営業』など他の法律にも抵触していた場合、その分の罰則も科されます。
改正の背景にある問題


どうしてこんなに厳しくなったんだろう・・・

悪質な営業をするホストクラブやメンズエステでのトラブルが社会問題化したことが原因です。
改正の背景には、ホストクラブなどでの「色恋営業」や高額売掛金トラブル、スカウト経由の性風俗紹介などが社会全体で問題視されたことがあります。
従来の法律では、このような手法の摘発や取り締まりが困難でした。
悪質な営業手法と問題点について、詳しく解説します。
高額な売掛金支払をめぐる問題
特にホストクラブでは、客の恋愛感情を刺激する「色恋営業」をきっかけに、高額な売掛金(かけ)を負わせる手法が深刻な問題となっていました。
「来店してくれないなら関係を続けられない」
「ボトルを入れてくれないと一緒にいられない」
などと心理的に追い込み、高額な会計に誘導したうえで、支払えない分を店に借金=かけ(売掛)として積み上げていくのが典型的な手法です。
支払いのために来店を促され、訪れるたびに高額な会計が繰り返されることで、売掛金が雪だるま式に増え、過大な債務を抱えてしまうケースが相次いでいます。
こうした構造的な問題が近年社会的にも大きな問題視され、規制強化の背景となっています。
風俗などへの人材斡旋の問題
前章で紹介したような方法で高額の借金を背負った客に対して返済手段として性風俗店やAV出演をすすめるケースも問題となっています。
女性はホストから紹介されたスカウトを通じて風俗店へ入店し、そこで得た報酬の一部がスカウトやホストに流れる仕組みが形成されています。
このような性風俗への人材紹介は、風営法改正以前から違法行為であり、警察も問題視してきたものです。(出典:大阪府警察)
にもかかわらず、売掛に追われる女性が人材斡旋により性風俗やAV出演に従事する事例は後を絶ちません。
収入を得ても返済に充てきれないまま、再びホストクラブで消費してしまう悪循環に陥ることがあります。
負債を利用して性産業に繰り返し送り込む一連の流れは、「借金型性搾取ビジネス」と呼ばれ、社会問題になっています。
違法エステ店での性サービスの問題
風営法の届出を行わず、マンションの一室などで営業する「ルーム型メンズエステ」や「リラクゼーションサロン」。
これらの店舗の中には、健全なエステ店を装いながら、実際は性サービスを提供している「グレーゾーン業態」と呼ばれるケースがありました。
店舗型で性サービスを提供できる地域は国や自治体によって厳しく指定されており、新規に店舗を構えることは事実上できません。
風営法改正前のグレーゾーン業態は法的な位置づけが明確でなく、十分な規制が及ばない運営形態として問題視されていました。

営業許可の審査を厳しくすることとグレーゾーン業態の規制を合わせて、反社会勢力の資金源としての性風俗を徹底的に排除したいんだね。
改正後の今、働くならどこ?

ここまで、風営法の改正でどのような規制と罰則が追加されたか、そして改正に至るまでの背景について解説をしました。
いま風俗で働いている人も、これから働こうか検討している人も、さまざまな規制や問題がある中でどのようなお店で働けばいいのか、悩んでしまいませんか。

スカウトに紹介されたらダメ、メンエスも摘発が怖い・・・どこで働けばいいの?

ここからは、安心して働けるお店の特徴について解説します!
キャストの教育に力を入れているお店
風俗業界で働くなら、接客マニュアルや従業員研修が整っているお店を選びましょう。
スタッフとキャストともにオペレーションを丁寧に確認しているお店なら、安心して働けます。

でも、研修が多いとめんどくさいし、早くデビューできないから焦っちゃう・・・

研修が充実しているお店ほど、キャストさんや法律面にきちんと配慮していて、安心して稼げるクリーンなお店なんですよ!
どのような届出を出している店舗なら、どのようなサービスが提供できるのか。
こうした風営法の細かいルールはキャストさん自身が判断するのは難しいのが現実です。
そのためしっかりと研修を通して店のルールやサービスを学べないと、知らず知らずのうちに違法行為を行ってしまうケースも。
「知らなかった」や「流れでやってしまった」行為でも、法律上はお店もキャストも責任を問われます。
だからこそ、しっかりと研修を行い、ルールや接客内容を明確にしているお店を選ぶことが大切です。
教育体制が整っているお店なら、トラブルを未然に防げるだけでなく、キャスト一人ひとりが安心して働ける環境が保たれます。
自社HPで求人をしているお店
インターネットにはSNSや口コミサイト、情報サイトなど、たくさんの情報があふれています。
自分一人で働くお店を探すのはとても大変です。
ですが、スカウトに頼りたくなってしまう気持ちはぐっとこらえて、自社ホームページを運用して求人を行っているお店を探しましょう。
公式ホームページの求人の内容は、お店が直接記載している情報となっています。
そのため、募集内容や待遇が正確で、「条件が違った」「話が食い違った」といったトラブルが起きにくいです。
お店を選ぶさいには、求人情報が求人媒体とホームページで相違がないかを事前に確認しておきましょう。
営業許可が確認できるお店
営業許可が確認できるお店かどうかも重要です。
風営法には提供するサービスの度合いによって細かく段階があり、お店の営業内容と合致した営業許可を取得する必要があります。
「うちは派遣型だから大丈夫」「この地域の店舗型だから問題ない」「この形態で長くやってる」という言葉だけで安心してはいけません。
程度に関わらず、許可なく性サービスを提供していい業態は存在しないので、面接や応募時に遠慮せず確認することが大切です。
摘発や営業停止のリスク、給料の未払いトラブルに巻き込まれないよう、お店が法令を守っているかを積極的に確認しましょう。
その際に、面接官や採用担当者が誠実に対応してくれるお店を選ぶことも大切です。
風営法改正後も安心して働けるお店を探そう!

この記事では、風営法の改正内容とその背景について解説しました。
風俗業界で働くキャストさんとは切っても切れない法律の話。
複雑でわかりにくいからと無視してしまっては、損をしてしまうかもしれません。
違法店やスカウト絡みのトラブルは、正しい知識と注意で防ぐことができます。生活を守るためにも、安心して働ける環境を選びましょう。
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